会長挨拶
第46回日本臨床栄養学会総会 会長


このたび、第46回日本臨床栄養学会総会の会長を担当することになり、第22回大連合大会として東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター部長・教授の鷲澤尚宏先生(第45回日本臨床栄養協会総会会長)とともに、2024年10月5日(土)・6日(日)の両日に、東京・両国KFC Hall & Roomsにて現地開催させていただきます。歴史と伝統のある本学会総会会長の名誉を賜りましたこと、機会を与えていただきました関係各位の皆様方に心より感謝申し上げます。
今回のメインテーマは「持続可能な活⼒ある社会の発展に貢献する臨床栄養学」といたしました。わが国では2020年には、健康寿命の延伸等を図るため「循環器病対策推進基本計画」が閣議決定され、医療体制の充実などとともに、循環器病の予防・国民への正しい知識の普及啓発が大きな柱として掲げられていて、2021年からは「脳卒中と循環器病克服」のための第二次5ヵ年計画が進められていますが、こうした生活習慣病等はあらゆる病態の重症化の原因にもなり、小児から高齢者の全てのライフコースにわたり国民の重要な健康課題です。健康寿命の延伸が人々の健康とともに健全な社会にとって鍵となりますが、その中で高齢者のフレイル・サルコペニア対策が重要であることに加えて、健康日本21の次なるプランとしては、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」がビジョンであります。このように世界的・国家的課題である持続可能な開発⽬標・SDGs の中で、⽬標3「すべての⼈に健康と福祉を」には、医学・医療なかでも栄養学の果たす役割が⼤きいことは論を俟ちません。
健やかに生きる力の源は栄養です。今回の大会テーマのもと、全国より多職種の方々に生きる力の象徴ともいえる国技館を擁する東京・両国にお集まりいただき、最新の臨床症例や研究成果の発表・討議等から得られる成果は臨床栄養学の実践に活かされ、さらには将来の臨床栄養学の⽅向性を照らすと期待されます。臨床栄養学の未来について共に語り合う場として第22回大連合大会がお役に立てますよう努めてまいりますので、多数の皆様のご参加をお待ちしております。ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
第45回日本臨床栄養協会総会 会長


皆様、こんにちは。
日本臨床栄養協会は、1979年に臨床栄養の研究とスキルアップのために設立されました。医師と栄養士が手を組んで何をなし得るのかを追い求めてきた団体で、この考えは、今、多くの医療機関で普及しているチーム医療のさきがけでもあります。
私は、このたび、本総会の会長を拝命し、大変緊張しておりますが、第22回大連合大会という大きな集会として開催できることになり、吉田博先生(第46回日本臨床栄養学会総会会長、慈恵大学 理事、東京慈恵会医科大学附属柏病院 病院長、東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座 教授)の力強いご指導をいただけることとなりましたので、親船に乗ったような心持でこの大役をお引き受けいたしました。
本学術集会は、2024年10月5日(土)・6日(日)の両日に、両国のKFC Hall & Roomsで現地開催させていただきます。メインテーマを「持続可能な活力ある社会の発展に貢献する臨床栄養学」とし、時代の流れにマッチした、手応えのあるプログラムを意識しました。臨床栄養学は医療機関だけでなく、社会の一部として、回復期、長期療養からさらに医療的ケアの手段としての、大切なツールを手に入れるための重要な学問となっています。栄養学の基礎に基づいた臨床現場のレギュラトリーサイエンスと考えられます。医療においては外科治療や放射線治療などの特殊医療に薬物を用いた治療が大切ですが、支援医療と考えられてきた栄養管理が今では栄養治療と呼ばれ、基盤を構築するに至っております。日本臨床栄養協会が力を入れてきた栄養サプリメントの適正使用はその中心ともいえる存在に発展しました。これらの総合力を駆使した近代医療の次の姿を想像できる企画を想定し、頭をひねることとなりましたが、プログラム委員の先生方から多くのご意見が寄せられたお蔭で、スムースに素晴らしい企画が立案できそうです。
会場の両国はかつて1900年初頭の私鉄総武線両国橋駅であり、東京の東の玄関口として、千葉、茨城から上京する人々を迎えておりました、現在では国技館、江戸東京博物館が創設され、北には東京スカイツリーがそびえ立つ古くて新しい東京の顔が見られる地です。この地でみなさんと新しい時代の栄養療法を体験してみたいと思います。実りある学術集会となりますようスタッフ一同、鋭意努めておりますので、臨床栄養に関わるたくさんの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。